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高活性化NK細胞療法は三大療法との併用も可能[3−4]

こちらのコラムは書籍 『高活性化NK細胞で狙い撃つ 究極のがん治療』より、一部抜粋してご紹介いたします。

本書は免疫細胞療法の中で、がんへの高い攻撃力を期待されている「高活性化NK細胞療法」と複合免疫療法を中心に、これからのがん治療とその効果について紹介しています。

目次

三大療法との併用も可能

三大療法との併用も可能

前述したように、高活性化NK細胞療法を含む免疫細胞治療は、がんの三大療法と並ぶ「第四のがん治療」として注目されています。三大療法をやり尽くした症例では、次の一手として多くの方に知っていただきたい治療法です。

とはいっても、高活性化NK細胞療法は決してこうした〝最後のとりで〞に特化した治療法ではありません。むしろ、この治療法は三大療法との併用で、治療効果の面でも、患者さんの心身状態の向上の面でも、より手ごたえが得られやすい治療法なのです。

確実にがんを死滅させ、かつ患者さんの身体にやさしい治療法が理想なのですが、現状ではそれぞれの治療法のメリットとデメリットを検討し、メリットがもっとも上回る治療法を単独、あるいは組み合わせて行っています。

しかし三大療法は、いずれも身体の外からの操作や体外の物質によって、がんに攻撃をしかける治療法です。せっかくがんをたたいても、そのために副作用という形で身体の免疫力を低下させてしまうと、がんを身体の内側から排除する力や、残ったがん細胞が増殖するのを抑え込む力が衰えてしまいます。結果として、辛い思いをして三大療法を受けたのに、その効果が最大限に引き出されないという可能性も出てきます。

本来であれば身体の内側からも自分の免疫力でがんをたたく〝総力戦〞が望ましいのですが、三大療法にはそのすべはありません。

三大療法にはない〝内側からの戦力〞、その担い手として高活性化NK細胞療法は非常に優れた治療法といえます。高活性化NK細胞療法は、今まで説明してきた通り、がんの殺傷能力に優れ、かつ副作用がほとんどない、身体にやさしい治療です。患者さんに負担をかけず、がんへの攻撃の総合力を高められるので、三大療法とはたいへん相性が良い治療法と言っても過言ではないでしょう。

手術や放射線治療と併用、つまり手術の前と後に高活性化NK細胞療法を行うことのメリットは、一つには手術で落ちてしまう免疫力を増強して、体力維持に効果が期待できること。もう一つには、手術後の再発予防が期待できることです。

手術の前後にしっかりご自身の免疫力を上げておくことで、身体への負担を軽くし、術後の速やかな回復も促すことができます。また、体力の維持・向上を図ることで、その後の抗がん剤等による治療効果の向上や副作用の軽減も期待できるでしょう。

また、ごく早期のがんで手術で完全に切除でき、術後の抗がん剤が不要というケースもありますが、再発・転移の可能性はゼロとは言い切れないため、患者さんの中には「何もしなくてもいいのだろうか」とかえって不安になる方が少なくないようです。

NK細胞には本来、身体に潜んでいるがん細胞が、増殖して腫瘍を形成してしまう前に見つけ、攻撃する「がん細胞の監視機能」があります。早期のがんであっても、術後に高活性化NK細胞療法を受けておくことで先のような何も治療を受けないことへの不安も緩和されます。こうした再発予防策としての高活性化NK細胞療法のメリットは、大きいと考えられます。

また、抗がん剤による副作用の中でももっとも深刻といえる骨髄抑制(白血球の低下)は、患者さん自身の大切な免疫力を著しく低下させてしまいますが、この免疫力を補い、強化を図ることが高活性化NK細胞療法には可能です。

再発や転移がんにおいては、病状に応じて数カ月から1年、それ以上に及ぶ継続した治療が必要となります。その際に、身体の免疫力が高い状態を保持しておくということは、がんとの闘いを続けていく上でとても重要になってきます。

がん治療の場で、抗がん剤の副作用が辛くて予定の回数を投与できず中止してしまったというケースは決して少なくありません。おもな原因は、抗がん剤そのものが体への負担が強い薬であり、患者さんの免疫力が低下したために、治療が継続できない場合も考えられます。がんを小さくするだけでなく、治療の副作用による身体への負担をできるだけ小さくするためにも、免疫力の維持や増強は重要であり、高活性化NK細胞療法はそれを解決する効果的な治療法といえるでしょう。

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