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NK細胞の培養には高度な技術が必要[3−5]

こちらのコラムは書籍 『高活性化NK細胞で狙い撃つ 究極のがん治療』より、一部抜粋してご紹介いたします。

本書は免疫細胞療法の中で、がんへの高い攻撃力を期待されている「高活性化NK細胞療法」と複合免疫療法を中心に、これからのがん治療とその効果について紹介しています。

目次

NK細胞の培養には高度な技術が必要

高活性化NK細胞療法の実際

集中的な投与も可能

活性化のタイミングが重要

NK細胞の培養には高度な技術が必要

では実際に、高活性化NK細胞療法はどのような流れで行われるかを当グループの場合を例に挙げてご説明しましょう。

まずはカウンセリングにて、この治療法の特徴や方法などを説明するとともに、患者さんの病状について伺います。最初のカウンセリング時に、これまでの治療経緯がわかる資料をお持ちいただくと治療方針を検討する際の参考になりますが、なければ受けられないということはありません。カウンセリングで話を聞いてみてその後主治医に相談するという患者さんもおられます。

なおクリニックによっては、月1回など定期的に高活性化NK細胞療法の説明会を開いているところもありますので、最初から一対一でのカウンセリングは気がひけるという方は、そうした機会を利用し治療への理解を深めるのも良いと思います。

治療は50㏄ほどの採血から始まります。カウンセリング後、もしすぐに治療を受けたいということであればその場で採血をします。健康診断で行う血液検査と同じ要領で、注射器で少量の血液を採るだけですので患者さんの負担はとても軽いといえるでしょう。

採取した血液は、すぐに我々のクリニック内にある培養センターに移して、速やかに培養にとりかかります。培養作業はもちろん、NK細胞培養に精通した専門の技師が行っていきます。手順としては、まず血液から免疫細胞が集まっている白血球を分離します。

その後、薬剤を用いてNK細胞を選択的に培養・活性化させます。個人差はありますが、2〜3週間ほどで数百〜数千倍に増えます。そしてその培養した細胞を約100㏄の生理食塩水の中に浮遊させて、点滴パックとして作成します。患者さんには採血の2〜3週間後に来院していただき、通常の点滴と同じように静脈から培養した細胞を体に戻します。

高活性化NK細胞療法の実際

では実際に、高活性化NK細胞療法はどのような流れで行われるかを当グループの場合を例に挙げてご説明しましょう。

まずはカウンセリングにて、この治療法の特徴や方法などを説明するとともに、患者さんの病状について伺います。最初のカウンセリング時に、これまでの治療経緯がわかる資料をお持ちいただくと治療方針を検討する際の参考になりますが、なければ受けられないということはありません。カウンセリングで話を聞いてみてその後主治医に相談するという患者さんもおられます。

なおクリニックによっては、月1回など定期的に高活性化NK細胞療法の説明会を開いているところもありますので、最初から一対一でのカウンセリングは気がひけるという方は、そうした機会を利用し治療への理解を深めるのも良いと思います。

治療は50㏄ほどの採血から始まります。カウンセリング後、もしすぐに治療を受けたいということであればその場で採血をします。健康診断で行う血液検査と同じ要領で、注射器で少量の血液を採るだけですので患者さんの負担はとても軽いといえるでしょう。

採取した血液は、すぐに我々のクリニック内にある培養センターに移して、速やかに培養にとりかかります。培養作業はもちろん、NK細胞培養に精通した専門の技師が行っていきます。手順としては、まず血液から免疫細胞が集まっている白血球を分離します。

その後、薬剤を用いてNK細胞を選択的に培養・活性化させます。個人差はありますが、2〜3週間ほどで数百〜数千倍に増えます。そしてその培養した細胞を約100㏄の生理食塩水の中に浮遊させて、点滴パックとして作成します。患者さんには採血の2〜3週間後に来院していただき、通常の点滴と同じように静脈から培養した細胞を体に戻します。

以上が、標準的な高活性化NK細胞療法の流れです。

最初に1クール分をまとめて成分採血するというやり方もありますが、健康な方には大丈夫でも、がん患者の方には負担となることも多いため、当院では基本的には毎回フレッシュな血液を採血する方法をとっています。

集中的な投与も可能

高活性化NK細胞療法では、通常は2〜3週間ごとにNK細胞を投与するのが標準的なスケジュールですが、がんの進行状況により、できるだけ短期間に免疫力を上げたい場合には、1週間ごとの投与を行うことも可能です。

細胞培養は通常、最短2週間かかり最長3週間まで延ばすことが可能です。この治療を希望される際はあらかじめ初回に2回分約100㏄採血するか、もしくは初回50㏄採血し、その1週間後に2回目50㏄採血しておきます。

すると初回採血から2週間後に初回投与、3週間後に2回目投与が可能になります。2週間後の初回投与の前に3回目の採血ができますので3回目投与は4週間後にできます。

このようにあらかじめ2回分採血して、以降毎回採血と点滴を繰り返していけば、自動的に1週間ごとの治療が可能となるわけです。この場合、1クール6回の治療期間は約1カ月半となります。

活性化のタイミングが重要

もしかしたら患者さんの中には「通院ごとに少量ずつ採血を繰り返さなくても、一度採った血液からずっと培養し続ければ、NK細胞をたくさん増やすことができて、6回分の点滴に足りるのでは?」と考える方もいるかも知れません。確かにもっともな疑問だと思います。

先ほど、通常NK細胞の培養にかける時間は2〜3週間とお伝えしました。なぜ2〜3週間かというと、NK細胞の増え方や活性の仕方を分析した結果、2〜3週間後の細胞の状態が、もっともがん細胞の攻撃に適していることがわかったからです。2週間足らずでは、まだ細胞数が物足りません。

3週間を過ぎてくると細胞数は十分増えていますが、活性が落ちてくる可能性がでてきます。NK細胞も本来は体の中にいるべき細胞ですから、長期にわたって体外にいると細胞にとって負担になってしまうのです。

すると今度は「じゃあ、採血したのは良いけど、採血してから2〜3週間の間にクリニックに行けない状態になったらどうしたら良いの?」と不安になられる方も出てくるでしょう。

その場合は、採血してからの時間と細胞の状態にもよりますが、培養している細胞を凍結して保存することも可能です。凍結してしまえば6カ月〜1年の保存は可能ですので、時間が経ってからでも治療を再開することができます。

最後に、抗がん剤治療を受けられている患者さんの中には「抗がん剤を受けると血液中に抗がん剤が入ってしまうので治療ができなくなるのでは?」と心配される方もいますが、そのようなことはありません。採血後、白血球の分離や培養の過程で、抗がん剤は洗い流されていきますので、NK細胞を増やして活性化させることへの支障はありません。

また、投与したNK細胞が抗がん剤で殺されることもありません。とはいうものの、点滴の抗がん剤が投与された直後の採血と、抗がん剤が投与される直前のNK細胞の点滴は念のため避けさせていただいています。

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