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[3−6]培養センターの重要性

こちらのコラムは書籍 『高活性化NK細胞で狙い撃つ 究極のがん治療』より、一部抜粋してご紹介いたします。

本書は免疫細胞療法の中で、がんへの高い攻撃力を期待されている「高活性化NK細胞療法」と複合免疫療法を中心に、これからのがん治療とその効果について紹介しています。

目次

培養センターの重要性

医療機関の選び方

培養センターの重要性

高活性化NK細胞療法で用いるNK細胞は、当然のことながら「生きた」細胞です。しかも患者さん一人ひとりの免疫細胞はみな違います。これが人工物であればマニュアルに沿って流れ作業でつくれたり、雑菌が入っても消毒すれば問題ないかも知れませんが、免疫細胞においてはそういうわけにはいきません。

高活性化NK細胞療法を行うにあたっては、NK細胞を確実に増やし活性化を高める技術面とともに安全面にも十分に配慮の行き届いた設備が不可欠です。

当グループの培養センターは、GMPという医薬品製造等に関する国際基準を満たしています。GMPは簡単にいうと「誰がいつ作業しても、必ず同じ品質・高い品質の製品をつくるために行うべきこと」を決めたものです。ヒューマンエラーを最小限に抑えることや、汚染の防止、高度な品質を保証するシステムであることといった基本要件のもと、厳しい条件が定められており、それらに適合しないと施設として稼働させることができません。

センター内はクリーンルームになっており、空気洗浄度はクラス10000といって、1立方フィート(約28・3リットル)あたりの塵埃の粒子が1万個以下に抑えられています。細胞の培養を行う施設の標準的な清浄度といえます。

この状態を維持するために、外から空気を取り込むときには3層ものフィルターを通し、作業者は滅菌された服に着替えマスクと手袋をして作業します。外から血液が運ばれてくるときにも、専用のフィルターを備えた窓口を通します。

また、細胞を培養する場所は「安全キャビネット」と呼ばれ、作業者の手だけが入るブースとなっており、中はさらに清浄度の高い無菌状態のスペースとなっています。

作業者である培養技師は、すべて十分な研修・経験を積んだ熟練の技師たちです。常に学会・講習会からの最新の情報収集も行い、安全性の確保と技術の向上に向けて取り組んでいます。当グループの培養センターでは、九州のクリニックをはじめ、他施設の培養も受けています。

もちろん、培養の途中で他の人の細胞が混ざってしまったり別の患者さんの点滴を取り違えたりなどということがないよう、厳密なマニュアル(標準作業書)に基づいて、細心の注意を払っています。例えば、細胞の培養を行う安全キャビネット内には一人分の細胞しか保存ができませんので、そこで他人の細胞と混ざるようなことは起こり得ません。

また、患者さんから採取された血液は1回分ごとに番号で管理しており、血液の受け入れから点滴液の調整まで、常にその番号と患者さんの名前を2回以上、目視と音読で確認した上で作業しています。患者さんの名前の表記はカタカナでは見間違いや読み間違いが起こりやすいため、漢字で統一しています。

また、別の容器へ細胞を移す作業の際は、数人分を並べて一度にというやり方は決してせず、一人分ずつ行います。使用する器具や容器はすべて使い捨てなので、他の人の細胞が混ざることもありません。

患者さん一人ひとりを考えたオーダーメイドな対応が可能ということも、大きなメリットといえるでしょう。当然のことながら患者さんはみな病状が異なり、細胞の活性の度合いも違っています。

多くの場合2週間の培養で治療に適した活性を持ち、数も十分に増えますが、中には思うように活性が進まないケースもあります。また、患者さんの体調が思わしくなく来院できないなどで治療スケジュールがずれてしまうこともあります。

そうした個々の状況の違いにフレキシブルに対応できるのも、当培養センターの強みと思われます。患者さんが投与を受けるときに、もっとも治療に適した活性になっているよう、きめ細やかな培養調整を行っています。

医療機関の選び方

免疫細胞療法の中でもNK細胞を用いた治療法は、近年注目度が高まっており、実施医療機関も徐々に増えてきました。高活性化NK細胞療法に興味を持ったものの、どの医療機関を選べばいいかわからないという方も少なくないと思います。

がんの治療は病状によっては長丁場になることもありますので、何よりも「患者さん自身が納得して治療を受けられること」が、精神的な負担を減らすことになりますし、病気の治り自体にも影響すると考えます。

医療機関の設備や体制等に不安を抱いたり、初診の段階で担当医が誠実に対応してくれなかったりしては治療開始後に後悔することになってしまいます。高活性化NK細胞療法を検討するにあたり、医療機関を選ぶ上でのポイントをいくつか挙げます。

1.培養施設がしっかりしていること

当然のことながら、免疫細胞療法では免疫細胞の培養が治療の「生命線」といえるほど重要です。生きた細胞を扱うということもあり、安全面や衛生面で安心できるところでなくてはなりません。外注しているところが良くないというわけではありませんが、医療機関の専属培養施設である方がより配慮の行き届いた作業に適しているといえるでしょう。

もし可能であれば施設を見学したり、それが無理であれば施設の様子がわかる資料を見せてもらったりして、万一の細胞の取り違えを防ぐ仕組みがあるのか、雑菌が混入しない環境、仕組みになっているかについて質問をすると良いでしょう。きちんと取り組んでいる施設であれば、一般の人にもわかるように丁寧に説明してくれるはずです。細かいことを聞いてくるな、と言わんばかりに返事があいまいであれば、たとえ施設自体に問題はなくても、その後の治療においても同じような態度をとられる可能性があります。

2.症例数が豊富であること

症例数が多ければ多いほど、その医療機関は多様なケースの治療実績があるとみなすことができます。

がんの治療は一人ひとりみな違いますから、その患者さんに合わせたオーダーメイドの治療が求められます。しかし、みな違うといっても同じがん種だったり、ステージが同じだったりする患者さんの治療例が過去にあれば、より効果的な治療戦略を立てる上での参考にはなるでしょう。その点、症例数が多ければ、そうした類似のケースでの有効例の蓄積がある可能性も高くなり、患者さんには心強いものになるでしょう。

一概に何例以上あれば信頼できるという基準はありませんが、高活性化NK細胞療法を行っている医療機関をいくつか探して選び、症例数を問い合わせてください。極端に少ないところは慎重になる方がいいでしょう。

3.医師が疑問や不安にきちんと答えてくれること

「主治医に聞きたいことがあるのに時間をとってくれない」

「不安があっても話を聞いてくれない」

大きな病院でがん治療を受けていて、こんな不満を持ったことはないでしょうか。

命に関わる病気だけに、がん治療にはさまざまな不安や疑問がつきものです。しかし診療の場がそうした患者さんのニーズにこたえられるものになっていないのが現状です。

これは医療機関側を一方的に責められるものでもなく、主治医も本当はもう少し一人ひとりの患者さんに対して時間をかけて話をしたいが、大病院になるほど患者数も多く、そうしていては診療時間内に診察が終わらなくなってしまうという事情があります。だからといって患者さんが医師とのコミュニケーション不足を理由にストレスをためてしまえば、免疫力も下がりますし、治療効果にも影響するでしょう。

これは高活性化NK細胞療法を実施する医療機関に限りませんが、受診したときの医師やスタッフの対応が気持ちの良いものであるかどうかは、ここで治療を受けるかどうかを決める際のもっとも大きな要素であるといっても大げさではありません。

治療方針について納得がいくまでわかりやすく説明してくれること、そしてどんな質問をしてもいやな顔をせずに答えてくれること、患者さんの身になって相談に応じてくれる医師を選ぶことが大切です。

また「この治療法しかない」などと、自分の考えを一方的に押し付けてくるような医師は考えた方がいいかも知れません。患者さんの中には、「医師にすべてお任せする。言われた通りの治療を受ける」という考えの方もいらっしゃるでしょう。

しかし当然のことながら、医師は患者さんのすべてをわかっているわけではありません。いざ治療が始まってから、こんなはずではなかったということをできるだけ避けるためにも、どんな小さな疑問でも事前に解消しておくことが望ましいでしょう。

他の選択肢はあるのかを聞いておくことも大切です。どの治療法にもメリットもあればデメリットもあります。良いことばかりではなく、治療法の特徴を客観的に説明してくれるか、また、他に選択肢がない場合でも一方的な押し付けではなく、理由をきちんと説明してくれるかが信頼できる医師かどうかを判断するポイントとなるでしょう。

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