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がんを知る

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「生活の質」を意識した免疫細胞療法と標準治療の併用

目次

「QOL(生活の質)」とういう観点で考えるがん治療

免疫細胞療法と抗がん剤の併用

免疫細胞療法と放射線治療の併用

免疫細胞療法と外科治療の併用

まとめ

「QOL(生活の質)」とういう観点で考えるがん治療

がんの三大療法である、手術、化学(抗がん剤)療法、放射線療法は、それぞれ標準治療が確立されており、現代のがん治療の主流となっています。しかし、「治療効果」の中には「QOL(生活の質)」とうい観点が入っていないことがあります。例えば、抗がん剤でがんが小さくなったとしても、副作用が強いために思うように動けなかったり、食事がとれなかったりしたら果たしてそれは患者さんのためになっているのでしょうか。

患者さんの病状にもよりますが、今は抗がん剤治療でも通院で行えるものが増えてきました。仕事をしながらその合間を縫って病院へ行き、治療を受けている方もいらっしゃいます。通院を除けば健康な人とまったく同じように活動的とはいかないまでも、職場や自宅で日常生活を送っている、そんな治療のあり方が珍しくない時代になっています。

そういう時代になったからこそ、なおさら患者さんのQOLにはもっと目を向けられるべきだと思うのです。

そこで近年、期待されているのが免疫細胞療法です。免疫細胞療法は自らの体に備わった免疫を利用するもので、標準療法とは発想を異にしており、第4のがん療法と言われています。将来的には三大療法と並ぶと考えられていますが、現時点では、標準療法の補助療法・代替療法、術後の再発予防などに用いられるケースが多いのです。

免疫細胞療法と抗がん剤の併用

三大療法の中でも、副作用による身体へのダメージが大きいイメージの抗がん剤治療ですが、近年は副作用を抑える薬が進歩しています。それでも、副作用を0に抑えることはできないため、免疫細胞療法との組み合わせが期待を集めています。抗がん剤は血液とともに体中に行き渡り全身のがん細胞に作用することが可能なので、場所が特定できないがんにも効果が期待でき、再発予防にも適しています。しかし、使い続けることで吐き気や食欲不振などの副作用があらわれてしまい、患者のQOLが低下します。そこで、一定期間は副作用を覚悟して抗がん剤による集中的な治療を行い、抗がん剤治療を行っていない時期も含めて免疫細胞療法で負担の少ない治療を継続的に行っていくという方法が取られるようになってきました。こうして、抗がん剤と免疫細胞療法を併用することで、相乗効果も期待することができます。

免疫細胞療法と放射線治療の併用

放射線治療は、高エネルギーの電磁波や粒子線をがん細胞に照射し、細胞のDNAを傷つける作用を利用し、がんを死滅させたり、がんの進行を抑制したりします。がんの大きさや位置を特定できるがんには、集中的に照射することができ効果が期待できます。ただし、放射線で死滅させられないケースや転移の予防のためには、抗がん剤を併用することが考えられます。しかし前述したように、副作用による身体への負担が避けられないため、免疫細胞療法を組み合わせることでQOLを向上させることを目指します。

また、放射線治療で古くから知られる現象に「アブスコパル効果」があります。これは放射線を当てたがんとは別の部位の腫瘍が小さくなるというものです。その仕組みは、放射線を照射され弱ったり死んだりしたがん細胞を、体内の免疫細胞が処理する過程でがんの特徴を認識し、その特徴を認識した免疫細胞が全身を巡りがん細胞を見つけ攻撃を加えるのではないか、と考察されています。つまり、放射線治療には、がんを攻撃する免役細胞の作用を高める可能性があるわけです。そこで、この現象を意図的に起こせれば、全身に散らばるがんへの攻撃を効果的に行うことができます。そこで、放射線治療と並行して、免疫細胞療法で免疫を強めることで、治療効果を高めることが期待されています。

標準治療の併用

免疫細胞療法と外科治療の併用

外科治療である手術は、すべてのがん細胞を取り切ることができれば根治となります。しかし、切除が可能ながんは画像検査等で目視が可能ながんであり、肉眼では確認ができない微小ながんや手術できない位置にあるがんは対応できません。そして、がん細胞が少しでも体内に残ってしまえば、再び局所でがん細胞が増殖し再発します。さらに他の臓器で増殖が始まれば転移となります。しかも、手術を受けたことで体力低下等を招くと免疫力が下がり、取り残したがんがより増殖しやすくなってしまう場合もあります。

このような再発や転移を防ぐためには、多くは抗がん剤が用いられます。すると、ここでも抗がん剤の副作用が患者のQOLを左右してしまいます。そこで、副作用を招くことが少ない免疫細胞療法を取り入れることが考えられます。

標準治療の併用

まとめ

QOLを高める、と口にするのは簡単ですが、それをがん治療で効果の尺度にするのは、現実問題として難しいものです。例えば、副作用が少ないであるとか、治療後の生活が制限されないといったことが挙げられるでしょうか。そのほかにも、生きがいを持って生活できるとか、社会との関わりを持った活動ができるとか、QOLに含まれ得る要素は実に多岐にわたりすべてを盛り込むとなるとたいへんです。しかし近年の技術の進歩や、免疫細胞療法が第4の治療として認められつつあることで、患者さんの選択の幅は広がりました。副作用を抑える薬の進歩も、QOLの改善に大きな変化をもたらしています。がん患者さんのQOLを考えるうえで、免疫細胞療法を組み合わせた治療計画は、有効な選択のひとつと言えるでしょう。

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