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日本人に最も多い“血液のがん”「悪性リンパ腫」

身体の中にある白血球は日々病原体と闘い、私たちの身体を守ってくれています。その白血球の中にある「リンパ球」ががん化してしまう病気が「悪性リンパ腫」です。悪性リンパ腫が発症したら、どのような症状がでて、どういった治療が必要となるのでしょうか?日本人の1万人に1人ほどが発症する悪性リンパ腫について解説します。

目次

リンパ球ががん化。年々増加傾向にある罹患者数

50種類以上に分類される悪性リンパ腫。初期の症状は“しこり”

薬物療法を中心に治療を実施。治療後も定期的な検診が必要

リンパ球ががん化。年々増加傾向にある罹患者数

血液は、骨の内部にある骨髄で造血幹細胞から作られるのですが、造血幹細胞には「骨髄系」の幹細胞と「リンパ系」の幹細胞があります。骨髄系の幹細胞からは、赤血球や血小板、白血球の顆粒球(かりゅうきゅう)や単球が作られ、リンパ系の幹細胞からは、白血球のB細胞、T細胞、NK細胞といったリンパ球が作られます。悪性リンパ腫は、これらのうちリンパ球ががん化してしまう病気です。白血病も一部リンパ球ががん化することがありますが、主に血液と骨髄でがん化した細胞が増える点が違いとなります。

2005年時点では、罹患者数が約1万7000人。1万人に1人ほどの割合ですが、日本人成人の中で最も多い血液腫瘍で、年々増加傾向にあります。また、男女比は3:2で男性の方が多く、発症年齢は60~70歳代が最も多くなっています。

50種類以上に分類される悪性リンパ腫。初期の症状は“しこり”

リンパ系の組織は、リンパ液が流れる「リンパ管」とリンパ管についている豆のような形をした「リンパ節」から成り立っています。

悪性リンパ腫の初期の症状としては、首や脇の下といったリンパ節が多いところに“しこり”が現れます。進行するにしたがって「発熱」「体重の減少」「異常な寝汗」「皮膚の発疹や痒み」といった全身症状が現れるようになります。また、臓器が圧迫されることにより、血流障害や気道閉塞といった症状が現れ、緊急で処置が必要となるケースもあります。

悪性リンパ腫は、採取された腫瘍の病理組織診断によって確定診断となります。その性質からホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の大きく二つに分けられますが、さらに、そこから細かく50種類以上に分類されます。悪性リンパ腫は種類によってゆっくり進行するものから急速に進行するものまであります。どの種類に分類されるのかを正確に把握することで、適切な治療方法の選択を行うことができます。

リンパ節以外の臓器に発生する「節外性リンパ腫」というものもあります。眼や胃、睾丸などに発生します。眼に発生する場合のほとんどは低悪性であり、眼以外に転移する可能性が低いため放射線治療で80%以上の治癒が期待できます。胃に発生する場合の多くは手術によって取り除かれ治癒が期待できますが、ピロリ菌の感染が原因である場合は除菌療法が有効な場合もあります。睾丸に発生している場合は悪性であるケースが多く、骨髄や中枢神経に影響が及ぶことが考えられるため強度の高い抗がん剤治療の実施が検討されます。

薬物療法を中心に治療を実施。治療後も定期的な検診が必要

治療は主に薬物治療と放射線治療によって行われます。悪性リンパ腫の種類とステージによって、治療の方法は異なります。ステージについては、一つのリンパ節領域のみが腫れている場合は「Ⅰ期」、2カ所以上のリンパ節の腫れが上半身か下半身どちらか一方に存在する場合が「Ⅱ期」、上半身と下半身の両方のリンパ節に腫れが見られる場合が「Ⅲ期」、臓器への転移や血液・骨髄にも悪性細胞が見られる場合を「Ⅳ期」とに分けられます。

治療の中心となる薬物療法では、抗がん剤や分子標的薬を注射・点滴もしくは服用します。抗がん剤は、がん細胞を死滅させたり小さくしたりすることを目的としています。全身に作用するため、目視で確認できないような小さな病変にも効果が期待できます。分子標的薬は、がん細胞独自の分子を標的として攻撃する薬剤です。抗がん剤と組み合わせて使用されることもあります。

病巣が1カ所で小さい場合には放射線治療を行うこともあります。放射線を照射することでがん細胞を破壊し消滅させたり小さくしたりすることが期待できます。薬物療法と組み合わせて行うことで、病巣以外のがん細胞に対しても働きかけることが期待できます。

悪性リンパ腫の治療において注意するべき点は、臓器障害や生活習慣病、不妊、骨粗鬆症などの合併症の可能性があることです。治療を終えたあともリスクは残るため、定期的な検診を受ける必要があります。

まとめ

  • 悪性リンパ腫は、全身状態が良ければ短期入院での治療が可能です。多くの患者さんは仕事や家事を続けながら治療を行っていますので、今までどおりの生活も十分可能です。悪性リンパ腫は50種類以上に分かれ、治療方法も画一的なものはありません。診断によって病状を把握し、治療方法を主治医とともに検討しましょう。

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