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「膵臓がん」~早期発見が難しく、生存率の低いがん~

膵臓がんは近年増加傾向にあり、毎年3万人以上の人が膵臓がんで亡くなっています。肺がん、大腸がん、胃がんに次いで死亡要因として4番目に多いがんとなっています。膵臓がんは症状が出にくく、早期の発見が難しいというのも理由の一つでしょう。
今回は、膵臓がんの症状と治療方法について、解説します。

目次

膵臓(すいぞう)がんとは

  • ここ30年で8倍以上に! 死因は第4位
  • リスク要因は「喫煙」「肥満」など

膵臓がんの症状

  • 早期の発見が難しい膵臓がんの初期症状
  • 進行とともに痛みが強くなる腹部や背中の痛み

膵臓がんの治療

  • 膵臓がんで分類されるステージ
  • 三大療法や免疫療法の組み合わせ(集学的治療)で治療

まとめ

膵臓(すいぞう)がんとは

膵臓には大きく分けて2つの役割があります。一つは、食物の消化を助ける膵液(すいえき)の産生(外分泌機能)。もう一つが、血糖値の調節などをするインスリンなどのホルモンの産生(内分泌機能)です。

膵臓には膵管(すいかん)という管が網目のように走っていますが、膵臓にできるがんの90%以上は、膵管の細胞にでき、これを膵管がんといいます。通常、膵臓がんといえばこの膵管がんをさします。

ここ30年で8倍以上に! 死因は第4位

国立がんセンターの最新がん統計によれば、2016年にがんで死亡した人のうち、肺がん、大腸がん、胃がんに次いで多く、死因の第4位となっており、近年増加傾向にあり、その死亡数はこの30年で8倍以上に増加。今では、毎年3万人以上の人が膵臓がんで亡くなっています。

年齢別の罹患率を見ると60歳頃から増加し、高齢になるほど高くなっています。また、死亡率は男性の方が高く、女性の約1.6倍となっています。高齢者に多いことから、高齢化社会の進行とともにさらに増加が見込まれます。

リスク要因は「喫煙」「肥満」など

膵臓がんのリスク要因としては、喫煙が重要な危険因子であることがわかっていおり、タバコを吸う人は吸わない人より発症率が2倍となります。また、肥満や高脂肪食、肉の過剰摂取によりリスクが高まります。そのほか、血縁のある家族に膵臓がんになった人がいる、慢性膵炎(すいえん)や糖尿病にかかっていることもリスク要因として挙げられています。

膵臓がんの症状

膵臓は胃の後ろ、体の奥に隠れるようにあることから、がんが発生しても症状が出にくく、早い段階では特徴的な自覚症状もなく、早期の発見が難しいがんです。

早期の発見が難しい膵臓がんの初期症状

膵臓がんの早期に見られる症状は、「胃のあたりや背中が重苦しい感じがする」「お腹の調子がすぐれない」「食欲がない」「体重が減った」といったものが挙げられますが、これらは他の病気でも見られる症状です。また、皮膚や白目が黄色くなる、体全体にかゆみがある、尿の色が濃くなるといった黄疸の症状が現れる場合もあります。

膵臓がんが進行してくると、腰や背中の痛み、食欲不振、腹部の膨満感(お腹がいっぱいになる感じ)、黄疸などの発症が見られ、糖尿病を発症する場合もあります。

進行とともに痛みが強くなる腹部や背中の痛み

膵臓がんによる腹部や背中の痛みは多く見られる症状ですが、これは膵臓の周囲にある腹部の神経にがん細胞が広がる(浸潤)ことで起こり、膵臓がんの進行とともに痛みも強くなります。

食欲不振や体重の減少についても、膵臓がんの進行により重くなってきます。十二指腸や腸管へがん細胞が広がると、食事をとっても栄養を十分摂取できず、徐々に痩せて衰弱する悪液質へと陥ります。

膵臓がん

膵臓がんの治療

膵臓がんが疑われる場合は、まず腹部超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査が行われます。検査の結果、診断に至らない場合は、病状により超音波内視鏡検査もしくはMR胆管膵管撮影を実施し、場合によっては内視鏡的逆行性胆管膵管造影、PET、さらには可能な限り細胞診・組織診を行い、病理診断を行います。

膵臓がんで分類されるステージ

検査結果をもとに、がんの進行の程度、体の状態などから治療方法を検討します。がんの進行の程度は、「ステージ(病期)」として分類されますが、ステージは、がんの大きさや広がり、リンパ節や他の臓器への転移の有無によって決まります。

 

膵臓がんで分類されるステージ

三大療法や免疫療法の組み合わせ(集学的治療)で治療

手術、抗がん剤、放射線治療の3つが膵臓がんの標準的な治療方法で、がんの広がりや全身状態などを考慮して、3つのうちの一つ、あるいは複数を組み合わせた集学的治療を実施します。また、近年では免疫療法が膵臓がん治療に取り入れられることも増えています。

がんが膵臓内に限られている場合は手術による治療がまず検討されますが、膵臓がんを手術で切除した場合でも、一定期間、抗がん剤による治療を実施することが推奨されています。これは、再発防止のためです。ただし抗がん剤には副作用がともないますので、体への負担を減らすため、免疫療法も取り入れ再発防止を目指すのも良いでしょう。

まとめ

  • 2016年にがんで死亡した人のうち、膵臓がんは肺がん、大腸がん、胃がんに次いで多く、死因の第4位となっており、近年増加傾向にある。
  • 膵臓がんのリスク要因としては、喫煙が重要な危険因子であることがわかっていおり、タバコを吸う人は吸わない人より発症率が2倍となる。
  • 膵臓がんは発生しても症状が出にくく、早い段階では特徴的な自覚症状もないため早期の発見が難しい。
  • 膵臓がんの早期に見られる症状は、「胃のあたりや背中が重苦しい感じがする」「お腹の調子がすぐれない」「食欲がない」「体重が減った」などがある。
  • 膵臓がんが進行してくると、腰や背中の痛み、食欲不振、腹部の膨満感、黄疸などの発症が見られる。
  • 手術、抗がん剤、放射線治療の3つが膵臓がんの標準的な治療方法で、がんの広がりや全身状態などを考慮して、3つのうちの一つ、あるいは複数を組み合わせた集学的治療を実施する。近年は体に負担の少ない免疫療法を組み合わせることもある。

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